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更新が止まること、早9ヵ月。久しぶりの復活です。
William Arthur Ward というアメリカの教育者(1921-1994)が残した、教師に関する有名な格言があります。
私が敬愛する故川上正光博士(電子回路の著者)は、この言葉を「先生の四階級」に改変し、自著「日本に先生らしい先生はいるのか」(閣文社 1990年・絶版)の最終章で次のように記しています。
自分がこれまで出会ってきた数々の師はどのタイプであったのか、翻って自分自身はどうなのか。読み直す度に深く考えさせられるのですが、この言葉はそのまま専門書の書き手にも当てはまるように思います。
読者の心に火をつけるためには、著者自身の心に火が灯っていなければなりません。このためには、偉大なる名著から種火を分けてもらう必要があるのですが、その種火は人里離れた洞窟の奥深くで風前の灯火となっている・・。
私の経験では、本屋で平積みになっているような書籍が心に火を灯してくれたことはありませんでした。ここ最近も、インターネット上で話題に上った書籍にいくつか目を通してみましたが、読後には虚しさが残るばかり。あまりの虚しさで"怒り"に火がつく始末。
自分って不感症?それとも性格異常者?
本気でそう心配していた時期もあるのですが、数少ない絶版書や古典の中に自分をすくい上げてくれる書物があることを考えると、少なくとも同好の士はいるらしい。ということで、最近の話題書に物申しつつ、昨年私を燃え上がらせてくれた書籍の中から2冊をご紹介することにしましょう(「プログラマの教養はmanual pagesに宿る」最終回は、その後の予定)。