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本日、CQ出版より「Embedded UNIX Vol.6」が発売。今回は、「Linux システム縮小化計画」はお休みして、第一特集「ゼロから始める組み込み Linux」を担当させて頂いた。
Vol.5 の予告に書かれた内容と、随分違う内容になってしまったけれど、「基本技術を捉える」ことをテーマに、80ページ近く執筆させて頂いた。当初の予定ページ数をオーバーし、入稿が延び延びになったにもかかわらず、素敵な特集に仕上げて頂いた、編集担当の大野さんに心より感謝。
中でも、ペンと組み込みボードを両手に携えた、「組み込みペンギン」の愛らしさには、すっかり参ってしまった。そう、左手に組み込みボードを持つだけではダメなのだ。組み込み技術の全体像を把握し、右手に持ったペンで、目的のシステムを自由自在に設計できる技術者が求められているように思う。
組み込み環境では、リソースが限られているために、従来の富豪的プログラミングや富豪的システム構築は通用しない。いつの日か、組み込み開発の現場にも「富豪的方法論」はやってくるのだろうが、少なくともここ1〜2年は、一人一人の技術者の「創意工夫」が、性能とコストに大きく影響することだろう。
アメリカの知識人は、文章中で受動態を使うことを嫌う。能動態を使った方が、文章が強く、生き生きするというのである。受動態を好んで使う、日本人とは対照的だ。
ほとんど全てが、棚ボタ式に用意されている昨今のデスクトップ環境は、まさしく「受動態」の権化。組み込みシステムは、「能動態」を実践し、これを楽しむことができる、数少ない場のような気がしてならない。