/ «2004-02-14 (Sat) ^ 2004-02-21 (Sat)» ?
   西田 亙の本:GNU 開発ツール -- hello.c から a.out が誕生するまで --

Categories Books | Hard | Hardware | Linux | MCU | Misc | Publish | Radio | Repository | Thoughts | Time | UNIX | Writing | プロフィール


2004-02-15 (Sun)

[Linux] Linode, the virtual private server

Debian への回帰

wnishida.com は、サーバー提供会社の都合により、RedHat9 上で稼働している。しかし、長年 Debian を使い慣れた身には、不自由この上ない。サポートパッケージの充実度も deb と rpm では、雲泥の差であるし、何と言っても辛いのは、RPM パッケージが無法地帯と化している点。

Debian であれば、Debian パッケージを通じて、安定版・テスト版・不安定版について、それぞれの最新版を簡単に入手できることができる。パッケージ選択にあたり、迷うことは一切ない。

ところが、RPM の場合は私の探し方が悪いのか、まともな repository が見つからない。どうも、rpmfind.net が、一番まともそうに見えるのだけれど、検索結果は「一体どれを選んだらいいのよ?」と、首をかしげざるを得ないものばかり・・。おじさんは、目の前に広がる「混沌」の世界に、ただオロオロするだけなのである。

「この機会に、えいやっと Debian にすり替えますか?」とは思うものの、現実は厳しい。稼働中のサーバーのディストリビューションを、リモート作業で鞍替えするのは、さすがにビビります。幸い、SWAP パーティションが 512MB 切られており、ほとんど活用されていようなので、まずは Swap off で再起動し、ここに Debian システムを構築してやりますか。ついでに、Reiser FS 化してしまうと素敵かも。搭載されている RAID カードが、SCSI 認識されるため、一筋縄では行きそうにないけれど、思いっきり悪い子しているようで、なんだか年甲斐もなくドキドキ。

User-Mode Linux on Linode

が、ディストリビューション切り替え前に Debian サーバーの運用チェックは行っておきたいところ。しかし、現状 Debian-base のレンタルサーバーはほとんど見当たらない。最近、/.J 上で Debian & Fedora レンタルサーバーの話が持ち上がっていたけれど、テストのためだけに高額投資はできない。困ったなぁ・・と思案していると、素晴らしいコメントが付いているではないか!

「Linode」、「一番安い」、「UML」、3つのフレーズが頭の中でスパーク。これじゃ〜〜!と、linode.com に突撃。その詳細については、あまり触れられていないが、UML を独自に発展させたものらしい。全体としての作りもセンスが良く、文章もまともである。「これなら、信頼できそうだ」ということで、早速 Linode Plans をチェックすると、/.J の影響か最も安い Linode 64 は完売の状態。そこで、Linode 128 で契約。これだけのスペックが初期投資 50.00 USD で「即座にインストール&利用」できるとは、恐ろしい時代になったものである。

契約は、一旦メールをやり取りして、進んでゆく。特に難しい点はないが、「確認のため、電話連絡することがあります」とあるので、しばし電話の前でお待ち申し上げたけれど、ベルが鳴ることはなかった。カード決済完了後(瞬時)、3分後にアカウントが有効化された旨のメールが届いた。

後は、Web 上の分かりやすい画面を通じて、インストールと初期設定が進む。気分は、まさしく VM Ware そのものであり、洗練されたインターフェース操作には爽快感さえ覚える。選択システムには、Fedora Core, Gentoo, Mandrake, Red Hat, Slackware がズラリと並んでいるが、先頭に Debian 3.0r1 (Small 80MB)が位置しているのを目にして、「この設計者、分かっとるなぁ」と関心することしきり。もちろん、3.0r1 80MB を選択。仮想インストールは、アッと言う間である。

一通りの操作が完了すると、トップ画面に「Boot」のボタンが現れるので(実際の画面はこちら)、おもむろにポチッとすると、あ〜〜ら不思議。Debian Woody のお出ましである。憎らしいことに、「コンソール接続」も SSH 上でシミュレートされるという、凝りようだ。パフォーマンスもそれほど悪くはない。Linode.com の技術力と、卓越したセンスに脱帽。

こういう並はずれたバランス感覚を持った人達の仕事を目にすると、「参った」という感情と共に、「あんたも、もっと頑張りな」と優しく肩を叩かれるような気がするから、不思議だ。