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GBA のソフトウェア制御が一息つけば、次に目指すべき山はハードウェアの拡張だ。「Linuxから目覚めるぼくらのゲームボーイ」を執筆していた時は、GBA のゲームパック接続部分はどうでもよかった。ソフトウェアで制御できる、内部レジスターにしか興味が湧かなかったのである。
しかし、今は違う。ゲームパック接続部分に隠れている、32ピン端子が気になって仕方がない。こうなると居ても立ってもおられない・・ということで、検索を繰り返す。DataBoyは、その過程で得られた収穫のひとつ。
一目見て分かる通り、このカードはモデム時代によく使われた RS-232C 用のデータスコープである。こんな芸当が可能なら、GBA のハードの拡張は楽勝ではなかろうか。あれこれと妄想が広がる。
ところで、同サイト中の「Why Game Boy?」は一読の価値あり。以下、その一部を引用。
These features, combined with low price and widespread availability, make Game Boy an ideal platform for many non-game applications. Furthermore, Game Boy's rugged construction makes it well-suited for harsh environments where other hand-held computers might not survive for long. Thus, it is not surprising that a number of developers and hobbyists have used Game Boy in ways perhaps not envisioned by its designers.
ゲームボーイシリーズは、2002年までの間に1億5千万台以上が売れているらしいが、ここまで hacking された機種も珍しいだろう。これは一重に、ゲームボーイシリーズ全体に流れるシンプルな設計が、影響しているように思う。
最近発表された SONY の PSP は、「Dual MIPS でここまでやるか!」という代物だが、果たしてこのような人智を越えたモンスターマシンで、hacking は可能なのだろうか?
個人的には、「一見質素な素材を工夫で生かす」任天堂スタイルが、大好きである。PSP のスペックは確かに凄いが、趣味の悪い成金おじさんを彷彿とさせる。
話を元に戻そう。GBA の接続コネクタの詳細に関する情報は、なかなかみつからない。こういう時は、視点を変える必要がある。DataBoy でも明らかな通り、GBA コネクタは旧式 GameBoy のものと互換性がある。
ということは、歴史と実績のある GameBoy のピンコネクタ情報を漁れば良いことが分かる。結果は、ビンゴ!「GameBoy Cartridge Reader and Writer by Reiner Ziegler」というページが詳しい。
このページを読めば、カートリッジROMの自作も夢ではない。また嬉しいことに、「Gameboy Type 32 Pin Connector」およびカートリッジを開封するために必要な特殊ドライバーが MCM Electronics から入手可能なことが分かった。もちろん、速攻注文。これで、GBA と外界をつなぐことが可能になる。「ピンコネクターが届いたら、早速先日紹介した TOS-Link でPCと通信させてみようかしらん?」などと、夢想する。
それにしてもハードウェアは面白い。アナログ回路の世界も探訪できるようになれば、どれほど楽しいことか。逆に言えば、コードしか知らなかったこの20年、私は一体何をしていたのだろうか?随分、寂しい人生を送っていたような気がする。
これじゃ、男だけの世界で悶々と生きていたようなもんだよなぁ。この歳で、きれいなハードウェア嬢達に巡り会えたことは、幸いである。