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   西田 亙の本:GNU 開発ツール -- hello.c から a.out が誕生するまで --

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2003-09-20 (Sat)

[Books] Scheme 本3冊

先日 amazon.com に注文していた、Scheme 関連書籍3冊が到着した。

  1. Structure and Interpretation of Computer Programs
  2. Exploring Computer Science with Scheme
  3. HOW TO DESIGN PROGRAMS

最初の本は SICP として世界的に有名なリファレンステキスト。その内容はまるでダイアモンドのように堅い。思わず背筋を伸ばして、正座してしまいそうだ。難攻不落の城塞のようにも見えるが、最終第5章「Computing with Register Machines」が燦然と光彩を放っている。想像するに、本書に挑戦した読者の多くが最初の1〜2章で力尽きてしまったのではなかろうか。ちなみに本書の日本語翻訳本も発売されているが、ネット上の評価によれば、その訳文は?らしい。英文自体は簡潔明瞭なので、迷わず原書を手に取るべきだろう。個人的には、魔術書を彷彿とさせるような、おどろおどろしい扉絵がお気に入り。真ん中のラムダは何やら、梵字を連想させる。

2冊目は表紙の森の写真の中に熊さんが立っていたりする、なんとも不思議な感じの書籍。が、中身はまともかつ平易だ。今回購入した3冊の中では最も敷居が低い。SICP の詳細な解説とは対照的に、ラフに流す入門書・・といった印象か。1週間もあれば十分読破できるだろう。本書の英文も素晴らしく簡明だ。日本語訳はまだないようだが、誤訳・妙訳されるぐらいであれば、翻訳されない方が幸せというものだろう。この本の特徴は13章の Compilers and Interpreters および、14章の Operating Systems にある(この2章を目次で見つけたから買ったのだが)。特に後者は驚くべき内容で、Scheme を用いてなんと Scheduler を記述している!すっげ〜〜〜!!!やはり、Linux カーネルと Scheme の組み合わせ(Schemix)から感じ取ったインスピレーションは本物かもね。

3冊目。これは失敗したかも・・。今のところ、心の琴線に触れるもの、ゼロだ。

ということで、この休みの読書週間の対象は Exploring Computer Science with Scheme に決定!この本を一気に読んだら、返す刀で SICP の最終章に挑戦だ。

紀伊国屋でお買い物

午後、車で松山紀伊国屋に出かける。自宅から15分ほどで、到着。駐車場も空き空き。田舎は良いです。

1階で雑誌を物色。お目当ては Software Design 10月号の第2特集「未来形OS探索隊出動!」。この企画のネーミングとイラスト、どこかで見たような・・。ひょっとして、UNIX USER 渡辺編集長の影響を受けてる?さて、その内容に目を通してみたが、ピンと来るものなし。逆にこの号に散らばったキーワードから湧いてきたイメージを、後日書き留めておくことにしよう。

UNIX MAGAZINE 10月号も思わず購入。扉最下段に書かれた「FreeBSD のブートプロセスをみる」に反応したからだ。「Linux のブートプロセスをみる」の白崎氏が再び連載を始められたようだ。そうですか、今度は BSD ですか。出来れば「Linux の実装と読み比べると面白いかもしれません」ではなく、「読み比べて」ほしいなぁ・・。

ところで、巻頭特集で始まった「自宅で使う UNIX」は、ありゃなんだ?内容はもとより、文章はブツ切れにして稚拙。読者からお金が取れるレベルに達していない記事を掲載するのは、いかがなものか。

ふと目をそらすと、派手なオレンジ色の扉絵をまとった BSD magazine vo.17 が視界に飛び込んできた。縦書きで右に「自宅サーバー実践構築法」、左に「カーネル -私の読み方-」という面白いレイアウト。素敵!

もちろん、左の垂れ幕に誘われて購入(編集部の思うツボ)。で、ざっと目を通してみたが Darwin OS で活躍している浜田直樹氏の「カーネルのまるかじり」が、最高に面白い。「How to read UNIX kernels? -- a practical approach --」とでも題して英訳すれば、これは恐らく世界一のリファンレンステキストだろう。mmap や loadable-module の origin が MULTICS にあったとは、鳥肌もんだね。この一行を読めただけでも、1886円の価値があったというものだ。惜しむらくは、5ページに終わってしまっていること。最低でも10数ページの分量で読みたかった。浜田氏にもっと活躍の場が与えられますように。

[Books] Practical file system design

Be File System (BeFS)

Software Design 誌に刺激されて、以前入れ込んでいた Be File System (BeFS) が首をもたげる。一言書いておこう。

BeFS は、ハッカーにして優れたライターでもある Giampaolo 氏の作品。BeFS の詳細は Practical file system design に述べられており、本書をもとに日本人である Kato Makoto 氏が、Linux への移植を行った(ただし、Read only)。Kato氏の移植作業は途中で止まっていたが、その意志を Dyson 氏が引き継ぎ SourceForge 上で BeFS の開発が行われている。このプロジェクトも昨年春以降進んでいないようだが、Giampaolo 氏の聖典と読み比べることで理解は深まるだろう。

[Books] CPU の創りかた・見参

日本発、歴史的 Computer Science 書、ついに誕生か?!

さきほど、とんでもない情報を見つけた。思わず、Scheme や Linux も吹っ飛んだほどの衝撃。その原因は MYCOM BOOKS から 9/29 発刊予定の「CPU の創りかた」にある。なんと TTL IC で、4ビット CPU を作り上げるらしい。

悔し〜〜〜い、完全に先を超された、完敗である。早速「立ち読み」。一抹の不安が残るが、これを最近の人達は「萌え」というのか?訳分からん・・。しかし、内容は大いに期待できそうで、早速 amazon.co.jp に予約注文。ゲッ、アマゾン売り上げランキングが既に20位ですってよ。あ〜、到着が待ち遠しい。久しぶりにハンダの煙、吸っちゃおうかなぁ。