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組み込み野郎の皆様、今日は極上のネタが入っております。 OLIMEX社の Price List 中で、本日遂に CS-E9301 ボードが登場致しました。私は、CS-E9301 の発売がアナウンスされてからというもの、毎日毎日チェックを入れていたのですが、どれほどこの日を待ちわびたことでしょうか。
右の写真は6月下旬に公開されましたが、OLIMEX の場合は基板写真の公開後、Price List に値段が登場して、初めて注文可能になるという "しきたり" があるのです。
さて、この CS-E9301 の正体ですが、CIRRUS LOGIC社 ARM9 EP93 family の最下位にあたる EP9301 を搭載した、組み込みボードです。ARM9 は MMU を搭載していますから、MMU 非搭載の ARM7TDMI に使われる uClinux ではなく、通常の Linux カーネル(もちろん*BSDも)を搭載可能です。主要スペックは次の通り。
ご覧のように、組み込み野郎の相手として、申し分ありません。気になるお値段は、USD $159.95 とこちらも、わんだほー。"ポチッとボタン" が無いことを神に感謝しましょう。
"Linuxから目覚める僕らのゲームボーイ" では ARM7TDMI を攻略した訳ですが、ARM7 では応用面が限られるため、私は ARM9 の時代が到来するのをそっと待ち続けていたのです。その突破口は恐らく OLIMEX が開いてくれるだろうと思っていたのですが、結果は予想通りでした。
CS-E9301 は、ARM9 のリファレンスボード(価格・機能の両面において)として、世の中に迎え入れられることでしょう。
しかしであります。私達は、こんなことで喜んでいる場合ではありません。実は、OLIMEX は既に次なる刺客を用意しているのです。それは、今年の10月発売予定の CS-9315 ボード。
こちらは、EP93 family の 最上位版にあたる EP9315 を搭載した、モンスター組み込みボードです。24bitカラーの 480x272 pixels TFT液晶を搭載した上に、なんと VGA ready、SDRAM は余裕たっぷりの 64MB。EP9315 は IDE インターフェース(2ch)を内蔵していますから、CS-9315 にも IDE-HDD を接続できるかもしれません。これは、まさしく「21世紀のマイコン(MY COMputer)」であります。
一体、どれ位の値段設定になるのでしょうか。EP9315 が夢枕に立つ日が続きそうです・・。
最近の OLIMEX は、この他にも数多くの新製品を発表しており、組み込み街道をばく進中です。例えば、右の MSP430-169LCD は、60KB Flash を持つ MSP430F169 に SD/MMC カードと携帯用 LCD (NOKIA 84x48 pixels)を組み合わせたボードです。マイコン野郎がこの写真を見たら "魂もって行かれてしもうた・・" になることでしょう。
これまで、マイコンに SD カード&携帯用LCD という組み合わせは、ありそうでないものでしたが、$49.95 で製品化してしまう OLIMEX はさすがです。私の推測では、この製品のアイデアの源流となったであろう MSP430 を使った面白い授業プロジェクト(米国の大学)が別にあるのですが、これについてはまた今度。
OLIMEX は元々 PCB 基板の小ロット受注メーカーとして有名でしたが、徐々にマイコン開発ボードの品数を増やしていき、現在では世界一の「マイコン野郎ご用達ショップ」に成長しています。
Development boards のページでは、各種マイコンの長所・短所が的確にまとめられており、彼らが各マイコンの特性を知り尽くしていることが分かります。
さて、PIC, AVR, ARM, MSP430 は多くの方がご存じだと思いますが、"MAXQ" とは一体何でしょうか?これは、日本ではまだほとんど知られていない、Maxim-Dallas社 の RISC マイコン(発表は2004年であり、現時点で最も新しいMCU)です。MAXQ の内部アーキテクチャというのが、これまたとんでもなくエキサイティングな代物なのですが、詳細はまたの機会に。